【Hulu】「秒速5センチメートル」〜”ノスタルジック”という言葉をそのまま映像化したような美しさ〜

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 郷愁ーnostalgic

遠い懐かしさを感じさせる、得がたいもの、失われたものなどに対して、心惹かれ、思いを馳せ、憧れや恋しさを抱くさまなどを意味する語。

weblio辞書

まさにこの単語に相応しい、作品内の1秒1秒に郷愁感の漂う、美しい作品でした。

なんだろう…この作品を見終えた後の、この、心の中が浄化されたような、ちょっと恥ずかしいけれどもどこか求めていたような、どこかに忘れていたような、この気持ち。

「切ねぇ………」

あまりにも美しすぎて目を引くパッケージ写真の美しさが以前からHuluの中で気になっていた作品だったのですが、なかなか見るまでに至らず、ようやく見てみた感想です。

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僕が秒速5センチメートルを見たきっかけ

実は、僕がこの作品を見ようと思うきっかけとなったのは、最近放送されていた、新海誠さんのアニメが使用されていた大成建設さんのTVCMを見てのことでした。

大成建設 | ライブラリー - テレビCM

こちらの中の、「ベトナム・ノイバイ空港」篇のCM。

このCMに使われている曲、「Change」を歌われている「Unlimited Tone(アンリミテッドトーン)」さん。実は以前に何度かライブにお邪魔した事があるほどに、大好きな関西のアーティストさんでして!

動画は何故かドバイ?の字幕入りですが。

アンリミさんファンのわたくし、テレビでこのCMが流れた瞬間にテレビに釘付けに…!

「え!!アンリミさんの曲がCMに!?しかも大成建設!!?しかも、アニメ!!!?てかこのアニメ、めっちゃ綺麗じゃね!!!?え?誰が描いてるの!!!!???」

…と、いう感じでした。笑

いや〜、ご縁って本当にあるものですね〜。

そしてそれをきっかけに、秒速5センチメートルを見てみた感想です!

息を飲む程の映像美

切ないストーリーに関しても日本だけでなく世界的に評価の高いこの作品ですが、個人的に最も響いたポイントはココでした。

映像が超キレイ。

そして

音楽が超キレイ。

更には

セリフが超キレイ。

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全体的に鮮やかなのだけれども主張しすぎない絶妙な色合いや、一眼レフで移したような遠近感・ボケ感のあるアングルがどれもこれも本当に美しくて、画面の向こう側の世界の奥底に、どんどん吸い込まれていくような不思議な感覚を覚えましたなぁ。特に、夕暮れにだんだんと赤く染まる風景や田舎道、田舎の空の奥行き、息を飲むほどの満天の星空のシーンなどなど。

各シーンのあまりの美しさに、そのシーンの静止画たった一枚を見ただけでも、作品内での切なさやもどかしさが思わずフラッシュバックしてしまいそう。ポスターにして部屋に飾っておきたくなります。

さらには作中で流れる音楽も絶妙でした。

主題歌の山崎まさよしさん「One more time,One more chance」のピアノインストを始め、静かなのだけれども、心の深い所まで染み渡るような音色の数々。この作品全体に漂う鮮やかな色彩をそのまま音符にしたためたような、そんな素敵な音楽でした。

絵に描いたように王道。しかし、吸い込まれるストーリー展開

今年30歳ともなる僕のようなおっさんには、様々な作品の中で何度も何度も何度もどこかで見たようなストーリー…な、はずなのですけれども…やっぱり、良いんですよねぇ。お互いに惹かれあっているはずなのにその気持ちを上手く伝えられない、このもどかしさ。

もはや、日本人の国民性なのかな、これは。

もし自分が20代前半の頃にこの作品を見ていたら、もしかするとまた違った感想を持っていたかもしれません。30歳になる今だからこそ、この作品のもどかしさや懐かしさが沁みたということもあるのかなー。(だいぶ心が汚れていたのかな〜w)

一話の「桜花抄」では、お互いに惹かれあいながらもその気持ちの伝えかたが分からず戸惑う、中学生時代の貴樹と明里の二人の葛藤を。

二話の「コスモナウト」では、お互いに引っ越しで離れ離れになった二人のうち、鹿児島で高校生活を送る貴樹のその後。そして、その貴樹に想いを寄せる同級生・花苗の、想い伝えたくとも伝えられないもどかとと苦しさを。

そして三話の「秒速5センチメートル」では、社会人となり、昔描いていた自分の理想に近づいたはずなのに、いつかどこかに忘れてきたような何かに対して悩みもがき、自問自答をする貴樹が。

それぞれ描かれております。

ネットでもこの作品に関する賛否はいろいろと分かれている所ですが、僕自身、昔、思っている事があったとしてもウジウジして表面に出せない引っ込み思案の子供であった僕個人の意見としては、貴樹くんの行動の気持ち。

とてもとても分かります…!

でも、そうなってはダメだなという反面教師的なメッセージも、この作品の中にはあるのかなと思いました。

先の事を考えるのは、目の前を固めてから

貴樹くんの、将来の自分の在るべき姿を考えしっかりと計画を立てるという姿勢や、発射されたロケットが向かう太陽系の奥底に何があるのか?をじっと見つめる、という、「先々を考える」ことの大切さは、男としては痛い程に分かる部分なんですよね。

でも先に進むためには、まず、今の足元には何があるのか?を見つめなくてはならない。足元を確認して、今自分がいる場所とこれから向かう先とは、いったいどれくらい離れているのかな?という事をしっかりと確認することもまた、大切なのかなと。

ラストシーンにて電車が通り過ぎた後に振り返った時、もう、そこには見えなくなっていた背中。

作品としてはふわっとした余韻を残す終わりとして、とっても美しい終わり方だなぁと思います。こういう終わり方、大好きです。

でも、自分の人生では同じようにはなりたくない。

踏切を渡りきる前に振り返り、どこにも行かないようにしっかりとその腕を掴みたい。でないと、一生、後悔してしまいそうだから。

そんな気持ちにさせてくれた、素敵な作品でした!

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