【映画】『ハドソン川の軌跡/SULLY』の感想です~ラスト10分間のシーンに込められた深いメッセージ~

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観ました!

予告編しか見ていなかった際は「クライムサスペンス×ヒューマンドラマ」のようなハラハラな内容なのかな?と想像していたのですが、実際はめっちゃくちゃカッコいいプロフェッショナルの仕事を追ったような、ドキュメンタリーテイストの、思わず胸がアツくなるような良作でした。日本版のプロモーションだと「容疑者になった男」ってあったけど、”容疑者”という感じではなかったよう…な?気が。

以下、いつも通りのネタバレありまくり感想です!

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監督/キャスト

監督:

クリント・イーストウッド

キャスト:

チェスリー・サレンバーガー/トム・ハンクス

ジェフ・スカイルズ/アーロン・エッカート

→『ダークナイト』のトゥーフェイスこと、ハーヴィー・デント役のあの人!

エリザベス・デイヴィス/アンナ・ガン

→『ブレイキング・バッド』のスカイラー母さん。映画内でも厳しくしっかりした感じでした!

機械のシュミレーションでは計測不可能なこと。それは”経験”。

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映画のあらすじは既にいろいろな所にてご覧いただいていると思いますので、映画を見た率直な個人的な感想を。映画を見終えた直後の気持ちとしては、

「もしも自分の人生の中で絶対に外せないフライトがあるとして、もしそれがサリー機長の操縦する飛行機ならば、例え100万円を払ってでも乗りたい…!」

と、心から思いました。プロ。これぞまさにプロフェッショナルの仕事だ。

あの墜落まで208秒間という(結果的に208秒だったけど、当事者であるサレンバーガー機長たちには何秒で落ちるかなんて分からなかったですよね)危機的状況下で、無理をして管制官の指示通りに最寄り空港に引き返すという選択肢を取らず、敢えて最適環境と考えられるハドソン川に不時着するという型破り(しかし最も助かる可能性の高い)な判断ができ、更に、手動操縦で何の目印もない川の中に、機体の損傷はほとんどなく飛行機を不時着させる事を可能とした、42年間、数千回に及ぶ操縦経験が作り上げた、超一流の飛行技術。

凄まじいっす、ほんと。

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しかも乗客乗員155人と副操縦士のジェフ、そして自分自身も無傷での不時着。まさに英雄でしょう、サリー機長。これだけすんごいストーリーが、実話なんですよね…事実は小説よりも奇なり、です。映画だからと言ってストーリーを劇的に作り込みすぎず(実際は少し脚色されている部分もあるそうですが)、じわじわとその出来事の奇跡的状況さとサレンバーガー機長の判断の素晴らしさが効いてくる感じが、非常にリアル。

事故後の国家運輸安全委員会(NTSB)からの厳しい聴取や、マスコミからの執拗なアプローチの感じから、「(奇跡を起こした英雄であるはずのサレンバーガー機長。でもこれが原因で、もしかして精神をやられてしまうのか…?)」と、実はバッドエンドでの終わり方も一瞬想像してしまった。が!恐らく、そこがまさにイーストウッド監督が描きたかった、サレンバーガー機長の信念の強さと、人間性の大きさでもあったのでしょう。聴取の場でも、操縦室音声の公開確認の場でも、決して理不尽な委員会の判断に屈せず、自らの判断に確固たる自信と誇りを持ちながら堂々と対応するサレンバーガー機長の姿。不安を抱えつつも心の奥では強く生きたいと願う多くの人々の胸に、きっと響いたのではないかなと思います。

ラストの公開聴取のシーンにて、スキンヘッドの調査員/チャールズ・ポーターさんがぐっとくる一言を言ってましたね~。

「初めてです。事故の当事者であるパイロットと副操縦士と共に、操縦室の録音音声を聞いたのは。」(※うる覚えなのでセリフ内容は正確ではないかも)

このセリフが、サレンバーガー機長の偉業を物語っているかのようで。1549便に起こった九死に一生の奇跡を改めて実感させられた、重みのある一言でした。あと、公の場にて副機長ジェフと共にフライトレコーダーの音声を聴いた直後、サリー機長が休憩中にジェフに言った、「…どう思った?いや、私から言おう。誇らしく思う。」という一言。グッときたナァ。

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ただ、「水上に不時着し、乗員乗客155人全員生存」という事実が、どれだけ素晴らしい奇跡で、いかに特異なことなのか?と事実の凄さが若干伝わりにくかったような印象もあったので、その辺りの過去統計データなどの比較エピソードなどの描写があると、より一層背筋がゾッとする感が深まったのかもしれませぬ。

何にせよ、42年間を通して常日頃からパイロットという仕事に正面から、そして何より自分に誠実に向き合ってきたサレンバーガー機長だからこそ成し遂げることができたのであろう、そんな『人的変数”x”』の影響力の大きさを感じさせられる、染みる作品でした。

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国家運輸安全委員会(NTSB)って、大丈夫かいな

あの感じって、実際の調査の雰囲気に近いんですかね?それとも映画用に、想定を甘く・厳しく演出して分かりやすくした感じなんですかね??もし前者だとしたら、NTSBとは、あまりにも想像力と当事者意識と判断力に疑問の残る、危険な機関だなぁ…と思わざるを得ない感じになってしまうような。うん。それは考えられないので、きっと映画用なんでしょう。航空機事故の調査を行う専門機関が、あんなにずさんなシュミレーションしか行えない訳がないですもんね。『離陸する→バードストライク→あ。すぐ空港戻ろ』なんて、ほんと昭和のゲームじゃあるまいし。サレンバーガー機長のご指摘はごもっともだし、それを想定せずに”アウト”と決めつけてシュミレーションを進めていた委員会のみなさん、怖すぎでした。

ラストシーンにてスカイラー母さ…じゃない、エリザベスさんがサレンバーガー機長に言った一言にはグッときましたけどね。

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「事故回避が不可能に近いなかで”なぜ成功したのか?”という要因、それは変数”x(エックス)”、サレンバーガー機長、あなたの存在です。」(※こちらもうる覚えニュアンスですすみません)

いや~グッときた。

おまけ

本筋とは関係ないですが、個人的に思ったことあれこれをこちらにて。

○トム・ハンクス、サレンバーガー機長本人に似すぎ。

左がトムハンクスで、右がサレンバーガー機長、ご本人だそうです。似すぎ。

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○邦題『ハドソン川の奇跡』と原題『Sully』について

原題タイトルは映画の中心人物である「チェスリー・サレンバーガー」機長のニックネーム、『Sully/サリー』とのこと。映画の内容を見た後はこの原題タイトルに思わず”なるほど!”でした。イーストウッド監督はこの事故の出来事そのものよりも、サレンバーガー機長人間性とか生き様を映画にしたかったんでしょうなぁ。

と同時に思いましたが、日本版のタイトルを付けるのって難しいですねほんと。確かに原題の『Sully』だでは日本国内でのプロモーションインパクトとしてはちょっと分かりにくい気もするし、でも映画の内容を踏まえて改めて考えると『Sully』で行きたい気もするし。もうちょっとうまく間を取る感じで、”ハドソン川”⇔”サレンバーガー機長”のバランスがとれるタイトルもあったかもですね。映画の中で何回も繰り返されていた「208秒」とか、例えば「ハドソン川の英雄」でもよかった気もしますね。ハドソン川の事故そのものよりも、サレンバーガー機長のドキュメンタリー映画って感じだったなと。

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