『海賊とよばれた男』のネタバレあり感想。原作を知ってても泣けた。

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http://kaizoku-movie.jp/

見て参りました!

僕自身はといいますと、数年前に百田尚樹さんの原作を読んで、52回(推定)ほど泣いておりました。

そして今回映画を見て、297回(推定)ほど泣きました。

原作と映画どちらも見た立場として正直な気持ちをお伝えしますと、原作を読んでから映画をご覧いただいた方が、324%(推定)楽しめると思います。もちろん原作を読まずとも楽しめる内容になってますが、内容の理解度は全く異なってくるなぁ絶対に。という印象です。ストーリー展開の年代が進んだり戻ったりが何度かあるので、原作を知らないとその行ったり来たりに戸惑うかも。

あと、これはいろいろなオトナの事情があるのだろなと思うけど、無理に2時間半にまとめずとも、前編・後編にしても良かったような気がします。原作だと前半も名場面がいっぱいですもんね。

以下、いつものようにネタバレありまくりの、ありのまま感じたままの感想をまとめます。

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岡田准一さん演じる国岡鐵造の迫力が異常

これ、恐らく同じようなご感想を持たれた方も少なくないんじゃないのかな?と思うんですが、冒頭5分くらいのシーンにていきなり登場した、岡田准一さん演じる、主人公の国岡鐵造氏。第二次世界大戦に敗れ、空襲によって焼け野が原となった東京にて辛うじて生き残りつつも希望を失いかけている国岡商店の社員たちを前に、厳しくも愛に溢れる言葉を投げかけるあのシーンの岡田さん/国岡鐵造の迫力と貫禄と存在感は、異常な程でした。

あの、観ている側の腹の底にと心の奥底に重く重くズシンと響いてくるような、その並々ならぬ生き様を全て声に乗せたかのような、ドスの効いた凄まじい声。

あれは、ヤバいです。

冒頭のあのシーンの岡田さんの「声」で一気に劇場内の空気がピーーーーンと張り詰め、さらに鐵造の、日本の未来と社員の不安を一挙にその背中に抱え込むかのような、ヒトとしての器の大きさ・巨大さを感じさせられるかのような重く熱いあの「セリフ」で、劇場内の観客を一気に1945年の世界に引き込んだような感じがしました。永遠の0の岡田さんは若かりし頃の宮部久蔵さんを演じたのみでしたが、今回はなんと、20代〜90代までの国岡鐵造を全てお一人で演じるという大役。かつ、作品の中で割合的に大きかったのは60代の頃の鐵造だったんですけど、それがもう本当に戦争を生き抜いてきたかのような、何度も何度も高い壁と絶望を乗り越えてきたかのような存在感を漂わせているんですよ。もうね、あの岡田さんを見るだけでも、映画館にお金を払って見に行くレベルの価値がある作品なのではないかなと(もちろん他の出演者さんもお一人お一人ご紹介したいくらいに、皆さん素晴らしかったです)。

あと、國村隼さん&鈴木亮平さんめっちゃ好きです、最近ほんと。堤真一さんの激渋な船長もたまりませんでした。

”大志”を伴った倫理的かつ論理的なアツさが最高にグッとくる

https://goo.gl/sIAMc3

現場で汗を流す店員さんのシーンやまとまってバカ騒ぎする店員さんのシーンだけを切り取ってみると、一見、絆や情といった男クサさ溢れる作品のように見えがちな所もあるかと思うんですけど、この作品の何がここまで僕らの心に響くのか?っていうとやっぱり、鐵造がただ”石油を売って会社を大きくする”ことを目指している訳でなく、油・石油によって人々の生活をより良いものに変えて、それによって日本を変えて強くして、一度は戦争には負けた国を再び世界と戦える国にしていきたい、という、仕事をする上で持っているべき本質的な志の部分に、常に重きを置いているところなのかなと。稼ぐ為、食べる為に働くっていうことは決して間違いではないですしむしろ大正解だと思うんですけど、人間ってややこしいもので、それだけではどうしても仕事に向かう気持ちの動機付けが弱くなってしまいがちな生き物だったりするんですよね。この時代だからこそ、モノが溢れる日本という国の中にいるからこその考え方なのかもしれませんが、自分の存在意義、仕事の社会的意義を常に考えてしまう。だからこそ、人々の生活を変える、国を変えるという国岡鐵造のようなアツい想いを持った人間に、これだけ多くの人が心を動かされるのかなと。ラジオ修理の仕事にしても、ただ、GHQから指示された仕事だからというだけでなく、戦争に負けても日々、力強く生きる人々に”娯楽”という選択肢を持ってもらいたい、という考え方が根底にあってこそのGoでしたもんね。

今の日本には似つかわしくないアツさなのかもしれませんが、個人的には好きなんですよね、こういう考え方。せっかくこの時代に生まれてきたならば、何かデカイことをしたいもんです。

ルールよりも人々の求めるモノを最優先する、国岡鐵造という男の理念

これはあくまで個人的な感想なのですが、実を言うとこれってビジネスの基礎中の基礎なのかなと思っていまして。

時代の流れや既得権益にただただ従うのではなく、今現在、多くの人々が本当に求めることを最優先する、国岡鐵造という男と国岡商店という会社の、嗅覚の鋭さと柔軟性の高さ。これって、国や会社が仕組みを作って全員が横一列でそれに従うような一昔前の世の中とはちょっと違って、モノを作って売るではなく、ユーザーが求めているものから逆算してビジネスを起こすという今現在の世界の在り方に、とても似ているような気がしまして。

「営業地域がここからここまでって決まっているからそこの地域内だけで油を売る」ではなく、「海の上で油を必要としている人がいるから、海の上まで行く」。「満州鉄道の油はメジャーの油と決まっている」からそこには手を出さないのではなく、「メジャーの油を使っていても、何らかの改善点・不満点はきっとあるはず」と思うからこそ、敢えてそこに赴く。

「仕事は無いなら、作ればええ。」

いやぁ…響きましたねこのセリフは。同じ仕事でも、日々、そこに対してどんな想いを持って取り組んでいるか?によって大きな差が出てくることの、非常にわかりやすい例だなと。ルールありきの考え方ではなく、本当にその人が求めているものって何なんじゃろか?を常に追い求めたいものです。

ぜひとも原作も読んで欲しい理由3つ

若かりし頃の国岡鐵造の奮闘もイイんです

小説だと上巻あたりのストーリーになるんですけど、若い頃の国岡鐵造の奮闘ストーリーもまた、イイんですよね…。映画だとその辺りの描写は僅かでしたが、原作前半に描かれたあの濃厚な展開もまたオススメなんです。

日田重太郎の存在

これも映画ではほんの僅かなシーンだったんですけど(鐵造と日田が海岸沿いを歩いていたあのシーン。少しだけだったけどしっかりと描かれていたことにちょっと感動)、若かりし頃の鐵造に「返済不要」の条件でお金を貸した日田重太郎氏とのストーリーも、国岡商店の歴史を知る為には無くてはならない部分なのです。この辺りの胸アツストーリーは、ぜひ小説でもご覧いただきたいところ。

http://www.oricon.co.jp/special/49597/

石統・メジャーとの戦いの歴史とタンカー製造

この辺りも映画ではかなり省略されてしまっていたところでしたなぁ。特にタンカー製造に関しては、その部分だけでも一つの作品として成り立ちそうなアツい歴史があるんです。原作の方ですと日章丸が誕生するまでの重厚なストーリーも、ぜひぜひオススメなのです。

ここが良かったよね!「海賊と呼ばれた男」の原作小説

※まだ原作を読んでいないヒトは閲覧注意!

あと、これは原作を読んだ際のちょっとした共感部分の共有です。w

永遠の0と海賊と呼ばれた男の原作をどちらもご覧になられた方でしたら皆さん思ったと思うんですけど、あのシーン、思わずグッとくる&ニヤけてしまいましたよね。永遠の0の主人公のあの宮部久蔵と国岡鐵造が相対する、名シーン。文字にして僅か数行ですし、ストーリーの進行には一切関係のない短いシーンでしたが、どちらの作品も見ていた人にとってはご褒美のような胸アツのワンシーン。

今回の「海賊と呼ばれた男」劇場版、密かにあの名シーンは描かれるのか…?と期待もしていたんですが、さすがにそれはありませんでしたね…w

まとめ

こういう名作を見ると日本という国が辿ってきた歴史、戦争、世界との関わりとそれぞれの裏表について、もっともっと勉強したいなぁとつくづく感じる次第です。オススメ映画や小説などありましたら、ぜひ教えていただきたく。