「スニーキーピート」シーズン1の感想。斬新なヒューマン×詐欺師ドラマ

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ーあの、ブライアン・クライトンが監督・出演。詐欺師が主役のドラマ

この一言の衝撃だけで、ブレイキング・バッド好きとしてはこの作品を観ないという選択肢はありませんな。Amazonプレイムにて配信中の「スニーキー・ピート」。シーズン1を全部見終えましたよ。実は見終えたのは2ヶ月前くらいでしたがなかなか感想がまとめられずに感想投稿がこのタイミングになりましたよ。

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さすがクランストン先生。ストーリー・キャスト・テンポ感・ラストの納得感、どれをとっても最高でしたぜ…!自社製作のオリジナル・ドラマ作品がこのクオリティの高さ。Netflixと同じく、Amazonさんの今後のコンテンツへの力の入れようにも本気度を感じます。

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あらすじ

自分の昔話が大好きな受刑者”ピート”と共に、3年間、刑務所の同じ部屋に服役していた凄腕の詐欺師、マリウス・ジョシポビック。間も無く3年の刑期を終える直前に弟に電話で連絡を取ると、電話に出たのはマリウスが以前に借金を踏み倒そうとしたギャングのボス、ヴィンスであった。10万ドルを期限以内に返却しなければ弟を殺すと追い詰められたマリウスは、刑務所内で同室だった20年間家族と音信不通状態であったピートになりすまし、ピートの家族から10万ドルを盗みだす算段を立てる。刑務所生活の中でピートの素性について様々な情報を得ていたこともあり、難なくピートの家庭に潜り込んだマリウスだったが、その家庭はベテラン詐欺師であるマリウスでさえ戸惑うような、普通の家庭とは一味も二味も異なる様々な問題や不思議な絆を抱えた、ヤバさ溢れる家庭だったのであった…

と、ご覧の通り、事前設定の段階からぶっ飛んだストーリーの作品です。さすが、最恐のドラッグ帝国を築いたおっさんが主人公が主人公の作品を、あんなにも人間らしい作品に仕上げてくださった、ブライアン・クランストン先生。人間味のある悪って、なんでこうも魅力的に見えてしまうんでしょうね。ついつい応援したくなる詐欺師ってズルいな。

『スニーキーピート』シーズン1の感想

バレそうでバレない、ギリギリの綱渡り展開がクセになる

かの名作「ブレイキング・バッド」でも、ブルー・メスの製造が幾度となく周囲にバレそうになりつつも絶対に尻尾は出すことなくごまかし技の連続で、観る側を何度も何度もハラハラの限界まで導いてくださった、ブライアン・クランストン先生。この人は危機的状況の演出とその後の巧妙な回避策の展開が、とんでもなく上手いですなぁ…本当に。今作「スニーキーピート」でもそのハラハラ感は健在でした。

潜り込んだ先のピートの家族に何度も何度も何度も何度も身分を疑われた際のマリウスのごまかし方がですね、本当に絶妙なんですよね…本物のピートならコレはしないであろう、言わないであろうことを誤って言ってしまった時にも決して取り乱さずに、その場ではあたかもワザと間違えた振りをして後々しっかりとフォローして疑念を解消する、あの先読み力と問題解決能力の高さ。その姿はもはや、超一流のビジネスマンでした。もし、マリウスが詐欺スクールなんかを開催したら「もし疑われたら相手の懸念を敢えてこちらから言語化し、さらに上から説得力のある嘘を被せろ」などと言いそうな感じ。「嘘とは、嘘をついた人にバレることで初めて嘘になるものである(バレなければ本当でしかない)」みたいな哲学的なことなんかも言いそう。

あと展開的に見やすかったのが、ブレイキング・バッドでは「ウォルター先生とジェシーと、そこに群がる仲間たち」といったその他大勢を含めての「絶対に周りにバレてはいけない〜」だったんですけど、今作では素性がバレてはいけないのは、ピートになりきったマリウス一人だけだったんですよね。見ている側としてはいろいろな人をハラハラすることなくマリウス一人を終始しっかりと心配することができました(?)し、家業の仕事でもしっかりと結果を出すマリウスに次第にピートの家族が心を開いていくあの感じは、詐欺師ドラマなのにハートウォーミングな家族ドラマを見ているかのように感じる一面も。

一作品で詐欺師と家族ドラマの2種類を楽しむことができる、お得な作品です。

ぶっ飛んだ登場人物しか出てこない

凄腕の詐欺師なんだけれども、弟思いで同業の仲間に恵まれるマリウス。闇カジノのオーナーでギャングのボス、ヴィンス。マリウスが潜り込んだピートの家族もまたクセのあるキャラばかりで、中でも、マリウスをピートのニセモノと疑いつつも次第に親しみを寄せる、ちょっとおマセな、いとこのカーリー(個人的には一番好きかもです。カーリー)。ブレイキング・バッド並みにキャラの濃い登場人物しか出てこないですね。さすがブライアン・クランストン製作総指揮。

かつ、クランストン先生自身も毎回ビシッと高級スーツでキメこんだスタイルで作中に登場するんですが、ウォルター先生とは180度違った雰囲気はもちろん見所の一つではあるんですが、それ以上に必見なのは圧倒的な超長セリフのシーンだったりします。。一言ひとことのセリフを淡々と、しかし重みと貫禄と威圧感を含めてじんわりとその口から大切に発する、紳士的かつ冷酷なギャング、ヴィンス。声が良い俳優さんって、シビれますよね…

ちなみにブレイキングバッド繋がりではないですが、海外ドラマ「パーソン・オブ・インタレスト」のファスコが刑事役でちょこっと登場したのには驚きでしたw この世界でもまたコソコソと悪い事してるんかなファスコ刑事。

マリウスの処世術に学びが多くある

マリウスの立ち振る舞いを見ていて(けっこう本気で)思ったんですけれども、もし現実世界で実際にこんな人がいたとするならば、マリウスは究極の世渡り上手人間なんだろうなと。その場面、そのタイミングに合わせて自分の名前もプロフィールも経歴も瞬時に別人に成り代わりながら、うまーくその場を切り抜けるしたたかさと機転力の高さ。うーむ、詐欺師ながら多くの学びがありますな。

まぁ法的に詐欺はダメなんですけれども、マリウスを見ていてどこが憎めない部分があって、何故かというとターゲットとするのが基本的に”ワルいことをしているヤツ”だったりするためなんね。というか、詐欺師系作品が後味スッキリなオチになるには、この設定がマストである気がします。ブレイキング・バッドもウォルターたちは違法ブルー・メス製造で稼いでいたとはいえ、その稼ぎの元となるのはギャングたちが持つアングラマネーでしたし。「正義×悪」という構図もシンプルで分かりやすいですが、「悪×悪」っていう構図は非日常感を何倍にも増してくれる感じがして。詐欺とは馴染みのない世界からその終始を眺めると非常に刺激的で、何かが心の奥底で沸る感じがするんですよナァ。

ちなみに、マリウスが最後にはちゃんとオットーとオードリーにお金を返したのは、マリウスのポリシーからなのか、ピートの家族に対する情からなのか。マリウスの胸の内が描かれる場面はありませんでしたが、どちらにせよ見ている側としては完全にマリウスの虜です!

シーズン2はどうなる?

にしても、スニーキーピート・シーズン1は、ラスト2話の急展開度が半端なかったですね。それまでは淡々粛々と進んできたマリウスの作戦は、オードリーの投資失敗により絶望的な状況か…!?と思いきや、終わってみればシーズン1全体を受けての総伏線回収のような、マリウスと弟エディとカロリーナ、そして他の詐欺師仲間との協力による壮大な魅せ場を含めた、大逆転勝利。最後のネタばらしシーンのワクワク感は半端なかったですねアレ。オーシャンズ11とかグランドイリュージョン1のネタばらしシーンさながらの納得感。息ぴったりのプロの仕事って、どんな仕事でも思わず惚れ惚れしてしまうものですねー。

そして気になる、シーズン2への伏線。ラストシーンに登場したのは、会話の流れから推測するに本物のピートを一方的に知ると思われる、2人のチンピラっぽい男。2人はピート(に扮したマリウス)に会うのは初めてながら、前々からピートを知っているかのようなのその口ぶりから、刑務所に入る前のピートは、何かの界隈にて割と名前を知られていた人物だった感じ。チンピラの態度から察するに決して良い意味で知られていた訳ではなさそうな感じが、シーズン2への期待を煽ります…!

譲許も理解できないまま、チンピラ2人にまたまた大金を用意しろとつっかけられてしまうマリウス。シーズン2の日本上陸が待ち遠しい限りです。

ブレイキング・バッド好きにグッとくる演出たくさん

監督がブライアン・クランストンとのことから、ブレイキング・バッド好きに向けた(と思われる?)、「スニーキーピート」内には細かな嬉しい演出やセリフが多々ありましたね。

帝国を築けなかったウォルター、帝国を築いたヴィンス

ブレイキング・バッドでは、夢に見たハイゼンベルク帝国を完成させることが出来なかったウォルターに対し、カジノ王ヴィンスはしっかりと自分の帝国を築くことに成功したからでしょうか。ヴィンスのセリフの中で「Empire(帝国)」というキーワードが所々で使われていたのが、ブレイキング・バッド好きにとっては印象的だった感じ。「私は自らの力でこの帝国を築き上げた」っていうあのセリフには、想いを実現することなく倒れたウォルター・ホワイトの無念を、異なる時間軸で実現させたかったという願いもあったのかな。なんて考えてしまいますね。

そこまでを見越してのセリフなのかどうかは、クランストン先生のみぞ知る…!

車の修理屋になった?グスタヴォ

テイラーの車のタイヤがパンクした際、修理を勧められた店の呼称が「”グスタヴォの店”で修理して」。

グスタヴォっていう名前ってアメリカでは割と一般的なのでしょうか…きっとそうそういる名前ではないはず…ということは…?ですね。

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